開発業務や現場での経験を
体系的な学問としてまとめ直し、
オープンソースとアカデミズムの架け橋に。
私が取り組んでいる「TOMOYO Linux」は、運用の要であるアクセス設定を学習できる点が特徴。最近は海外でも知られるようになりました。しかし同じセキュリティというテーマでも、オープンソースの世界とアカデミックな世界とは意外に交流、接点がないのが現状。オープンソースの世界で得られた知見を体系的に整理しなおし、またアカデミックの世界にも視野を広げるため博士課程に入学しました。まだ数ヶ月ですが、再び学生として学ぶということ、指導いただく先生方や学生仲間との出会いなどを経験し、非常にわくわくしています。
これまでの取り組みをただ深めるだけであれば、必ずしも大学に来る必要はありません。私が籍を置く板倉研究室では、バイオメトリクス認証技術、経営とセキュリティ管理の関係など多岐にわたった研究が行われていますし、IISECでは研究室間の交流、共同研究も盛んです。「TOMOYO Linux」やこれまでの取り組みを軸に新たな価値を創出したいと思っています。
学生としての時間を持つためには、その分会社員としての時間を減らさなければなりません。移動の時間を含めた「分割損」も生じます。限られた時間を有効に活用しながら、異なる世界を自分の中で結びつけ、分割以前の状態、価値を得たいと思っています。社会人でもある自分にとってのチャレンジです。