オペレーティングシステム（前期2単位）
准教授 橋本 正樹
１．授業のねらい・到達目標
OSは情報システムの基盤であるため、情報セキュリティを論ずる時にOSの知識は必須である。現在は、制御システムや携帯端末、組込みシステム等、様々な形態の情報システムが存在するが、この講義でははじめに、汎用OSを対象とする一般的な基礎理論について説明し、これを修得する。その後、Linuxを例に、特にセキュリティに関係するOSの役割と機能を整理し、その中で、CPUの持つセキュリティ機能との連携についても学ぶ。最後に、簡単なOSを実際に作成することで、具体的な知識の獲得を目指す。
２．授業計画
I. OSの基礎理論
- OSとセキュリティの関係
- OSの概観
- プロセスとスレッド
- メモリ管理
- ファイルシステム
- 入出力
- デッドロック
II. OSと情報セキュリティ
- TCB とリファレンスモニタの概念
- アクセス制御とセキュリティポリシ
- セキュアOS
- IA32のアーキテクチャとメモリ保護
III. OS作成演習
- 環境設定(VirtualBox, NASM, Bochs等)の設定方法と使い方
- ブードローダとカーネルの関係、アセンブリ言語によるプログラミング
- OSによらないプログラム作成とデバッグ方法
３．教科書
特に指定しない。
４．参考書
- Andrew S. Tanenbaum, Operating Systems Design and Implementation (3rd Edition), Pearson Education, 2007
- インテル®64 および IA-32 アーキテクチャー・ソフトウェア・デベロッパーズ・マニュアル.
- 作りながら学ぶOSカーネル―保護モードプログラミングの基本と実践，金凡峻，秀和システム.
- はじめてのOSコードリーディング UNIX V6で学ぶカーネルのしくみ, 青柳隆宏, 技術評論社
５．関連科目
プログラミング、情報システム構成論、ソフトウェア構成論
６．成績評価の方法
受講状況およびレポートによる。
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